COP29に向けた「資金支援」と、支援先企業の適格性調査(KYC)

気候変動に関する国際的な枠組み、パリ協定により義務化されている「国が決定する貢献(Nationally Determined Contribution, “NDC”)」の提出が2025年2月に迫っています。パリ協定は、「地球の平均気温上昇を、産業革命前比で2℃より十分低く抑えるとともに、1.5℃に抑えるよう努める」ことを定めるとともに、参加国に5年ごとの温室効果ガス削減対策の実施状況の報告、および将来的な削減目標を提出するよう求めており、各国は温室効果ガスの排出削減に向けた野心的な政策対応を打ち出しています。こうした状況の中、民間レベルではエネルギー、農業、工業、モビリティ分野といった温室効果ガスの排出量の多い事業を行う企業を筆頭に、持続可能な開発目標の実現に向けたサステナビリティ・トランスフォーメーションが進められている状況です。しかし、現行の政策ではパリ協定の目標には届く見通しが立っておらず、今後はこれまで以上の政策、および実現に向けた現実的な対応が求められることになります。

金融支援における支援先企業の実態把握

パリ協定で定められた1.5℃目標の達成に向け、2024年11月に行われるCOP29の議長国であるアゼルバイジャンのラフィエフ主席交渉官は、同会議において途上国の脱炭素に向けた資金調達など、金融の在り方に焦点をあてたいと考えているようです。日経新聞が6月5日付朝刊で報じているように、同交渉官は「産業革命前との比較で地球の気温上昇を1.5℃に抑えるためには官民の金融機関からの資金調達の強化が必要」と考えており、パリ協定で義務化されている先進国から途上国への気候変動対策資金支援等を活用した資金調達の充実化により、途上国の脱炭素化の実施の実現に向けて、COP29における議題化を企図している模様です。

支援資金を受け取る企業の実態を知ることの重要性

地球温暖化対策、脱炭素社会への移行が進められる中で、様々な移行リスクへの対応も必要となりますが、弊社としましては、まずは資金支援先企業のKYC(Know Your Counterparty)をしっかり行い、相手先をよく把握することの重要性に着眼しています。お客様に投融資先や取引関係構築のご検討先に関するリスク・デューデリジェンスやアドバイザリーサービスをご提供させていただく上で肝要となるのが「対象企業の適格性」の把握に資するご提案です。特に途上国企業への投融資や取引等においては、事前の相手企業の実態調査が事業計画の実現可否の分岐点だったことが往々にしてあり、これは国家レベルでの資金支援事業に参画される企業様にも当てはまると考えられます。

  • 2025年2月に迫る「国家が決める貢献」と政策対応
  • COP29の議長国主席交渉官の議題案「金融支援」
  • 気候変動対策資金の支援と支援先企業の実態

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