日本政府は6月6日、経済安全保障上の重要論点となるセキュリティ・クリアランス(適格性評価、以下SC)について中間論点を整理、公表しました。今回の論点整理では、政府が保有する安全保障上重要な情報として指定された情報(“CI”または“Classified Information”)への政府・民間事業者双方でのアクセス権限と、同分野での主要国との協業に向けた認定資格制度の整備について言及されており、SC制度について、2024年中の法制化を目指す動きが示されています。
現在、G7主要七か国の中で同制度が整備されていないのは日本だけであり、民間分野において同認定資格が参加要件となる先端技術分野への参入障壁となって商機を逃しているとの見方もあることから、同認定資格の法制化により、日本企業と海外企業との共同開発や情報共有における障壁が除かれることが期待されます。
日本企業の先端技術分野での国際協業に商機
先進技術等を扱う職員の身辺調査が焦点に
安全保障面で日本と同盟・協力関係にある米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの五か国は「ファイブ・アイズ」と呼ばれる機密情報共有の枠組みを形成し、SC制度が導入されていますが、同盟国に対しても同様の情報管理制度のない国への情報共有は制限されることから、日本企業の先端技術分野への参画の障壁となっていた面があります。このことから、産業界は法制化の動きを支持しており、経団連からも「相手国から信頼されるに足る、実効性のある情報保全制度の導入を目指すべき」との提言が政府に出されています。
一方で、SCでは資格の認定に向けた身辺調査が必要であり、今後は身辺調査のあり方と罰則が論点となります。今年4月に発生した米軍州兵による機密情報の漏えいでは、SC資格を付与されていたとされる州兵がオンラインゲームのチャットルームで情報を公開していたとされており、特に先進技術等を扱う企業の職員については、SC導入に限らず、表面からは掴みづらい人物像や交友関係、SNS裏アカウントの存在などについて事前に調査を行うなど、普段から状況に応じた対応が必要になると思われます。
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